その他 更新日:2026年6月30日

【2026年10月】同一労働同一賃金ガイドライン等が改正されます

日本版同一労働同一賃金(同一企業内での正社員とパートタイム・ 有期雇用労働者との間での不合理な待遇差の禁止)は、パートタイム・有期雇用労働法として2020年4月(中小企業は2021年4月)に全面施行されました。

施行から5年が経過したことを踏まえ、2025年2月から厚生労働省の「同一労働同一賃金部会」を開催し、制度の見直しに向けた議論が行われました。
2025年12月に同部会の報告書がまとめられ、それを踏まえて省令・指針案の要綱が作成されました。
2026年3月に労働政策審議会への諮問・答申が行われ、同年4月28日に改正省令・告示が公布、2026年10月1日から施行・適用されることとなりました。
簡潔に説明すると
「施行5年を節目に実態を点検・検証した結果、パートタイム・有期雇用労働者の待遇改善がまだ不十分な部分があるとして、ルールの明確化・強化が必要と判断された」
というのが改正の基本的な背景です。
改正の内容は次のとおりです。

(1)雇い入れ時の労働条件明示事項が追加されます!【パート・有期法施行規則】

パートタイム・有期雇用労働者を雇い入れた際の労働条件明示事項として、現行の明示事項に加え、新たに以下の事項の明示が必要になります。

【新たな明示事項】
「待遇の相違等に関する説明を求めることができる旨」
現行の明示事項(昇給の有無/退職手当の有無/賞与の有無/相談窓口)はそのままで、上記が追加されます。

  • ※違反した者は10万円以下の過料に処されます。
【労働条件通知書の記載例】
次の窓口に対して通常の労働者との間の待遇の相違(内容・理由)等について説明を求めることができる。
部署名  担当者職氏名  (連絡先  )

  • ※「通常の労働者」は自社における呼称(「正社員」等)に置き換えて記載することも可能です。

(2)「同一労働同一賃金ガイドライン」が改正されます!【告示】

パートタイム・有期雇用労働法では、日本版「同一労働同一賃金」について定めています。

「同一労働同一賃金ガイドライン」は、どのような待遇差が不合理なのかについて、考え方や具体例などを示したものです。
今般、ガイドラインに新たに追加された内容は、次のとおりです。

・賞与・退職手当

賞与・退職手当の目的(労務の対価の後払い・功労報償等)がパートタイム・有期雇用労働者にも妥当するにもかかわらず、職務の内容等の違いに応じた均衡のとれた内容を支給しない場合、不合理と認められる可能性があります。

・無事故手当

正社員と業務の内容が同一のパートタイム・有期雇用労働者には、正社員と同一の無事故手当を支給しなければなりません。

・家族手当

労働契約の更新を繰り返している等、相応に継続的な勤務が見込まれるパートタイム・有期雇用労働者には、正社員と同一の家族手当を支給しなければなりません。

・住宅手当

住宅手当が「転居を伴う配置の変更の有無に応じて支給されるもの」である場合、正社員と同一の転居を伴う配置の変更があるパートタイム・有期雇用労働者には、正社員と同一の住宅手当を支給しなければなりません。

・福利厚生施設

施設の利用料金・割引率等の利用条件について、不合理と認められる待遇差を設けてはいけません。

・病気休職

正社員に病気休職期間に係る給与の保障を行う場合には、相応に継続的な勤務が見込まれるパートタイム・有期雇用労働者にも、正社員と同一の給与の保障を行わなければなりません。

・夏季冬季休暇

パートタイム・有期雇用労働者にも、正社員と同一の夏季冬季休暇を付与しなければなりません。

・褒賞

褒賞が「一定の期間勤続した労働者に付与するもの」である場合、正社員と同一の期間勤続したパートタイム・有期雇用労働者には、正社員と同一の褒賞を付与しなければなりません。

【各種手当・福利厚生に共通する留意事項】
・通常の労働者の待遇引き下げによる待遇差の解消
不合理な待遇差を解消する際には、正社員の労働条件を不利益に変更するのではなく、パートタイム・有期雇用労働者の労働条件の改善を図ることが求められます。
・定年後に継続雇用された有期雇用労働者
待遇差が不合理か否かは各待遇の性質・目的に照らして判断されるものであり、定年後継続雇用の有期雇用労働者であることだけで直ちに不合理ではないとは認められません。
・いわゆる「正社員人材確保論」
「正社員人材の確保や定着を図る」という目的があったとしても、その目的だけで待遇差が直ちに不合理ではないとは認められません。
詳細は次のURLよりご確認頂けます。
同一労働同一賃金特集ページ