今年10月には同一労働同一賃金ガイドラインの改定が予定されており、パートタイマーの処遇見直しに向けた動きが各企業で加速しています。
今回は、東京都産業労働局が公表した「令和7年度 パートタイマーに関する実態調査」の従業員調査から、パートタイマーへの賞与支給に関する実態を取り上げます。
本調査の対象は、都内の常用雇用者数30人以上の3,207事業所に勤務するパートタイマー2,000人です。
(1)賞与の有無
賞与が「ある」と回答したパートタイマーは42.1%、「ない」は50.1%でした。
業務内容別にみると、「販売業務」では57.9%が「ある」と回答しており、「ない」を上回っています。
販売現場では正規・非正規を問わず戦力として処遇する傾向が比較的強いことがうかがえます。
勤続年数との関係も明確で、「定年後の再雇用以外」の区分では、6か月未満が9.5%にとどまる一方、1年以上5年未満で36.6%、5年以上10年未満で45.7%、10年以上では46.8%と、勤続年数が長くなるほど賞与支給率が高まる傾向が見られます。
長期勤続者ほど企業との関係が深まり、処遇面での改善が進みやすい実態が反映されていると考えられます。
(2)賞与の支給水準
賞与が「ある」と回答したパートタイマーの令和7年夏季賞与の平均額は7.28万円で、前回調査の5.97万円から大きく上昇しています。
企業規模別にみると、やや意外な傾向が浮かび上がります。
「30~99人」の小規模事業所が8.01万円と最も高く、「100~299人」が6.37万円、「300人以上」が4.94万円と、規模が大きくなるほど支給額が低くなっています。
大企業ほど人数が多く平均が引き下げられる構造的な要因も考えられますが、中小規模の事業所が人材確保のために処遇水準を高めている可能性もあります。
全体として、42.1%のパートタイマーが賞与を受け取っており、その平均額は7.28万円という実態が明らかになりました。
ただし、調査対象には定年後の再雇用者も一定数含まれており、その層が平均額を押し上げている可能性には留意が必要です。
同一労働同一賃金への対応を検討する際には、こうした属性の違いも踏まえた丁寧な整理が求められます。
詳細は次のURLよりご確認頂けます。
令和7年度 パートタイマーに関する実態調査(東京都産業労働局)

システム関連に強く、人事総務部門のトータルアウトソーシングのプランニングおよび受託を得意とする。さらに、人事労務系のコンサルティングに力を入れており、人事制度構築コンサルティングのほか、M&Aコンサルティング等、企業の経営企画部門、人事労務部門の双方の支援をしている。

